奇跡と呼ばれたこの村で

紀州有田の湯浅町にある小さな村「田村」。コミュニティハウス「紀家わくわく」は都会と田村を繋ぐワームホール。学生たちが行き来する人口1000人の集落の暮らしと変化を書き残していきます。

【 学生体験記 】初めてのワーキングホリデー🍊

 

こんにちは!!


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昭和音楽大学3年の鶴岡史佳です!
本当にただのみかん好きなのですが、、、

田村でワーホリをさせていただきました!


初めての和歌山です!
今回は10月7日〜10日の4日間を紹介しようと思います☺️

 

 

🍊1日目🍊

夜行バスで和歌山駅に。不安と期待、それから初めての夜行バスということもあり全然ねれなかったです😂😂
緊張の中、電車で箕島駅へ向かうと、今回私がお世話になる信太郎さんが車で迎えに来てくれました。「よう来てくれたね」の言葉がとてもあったかくて、緊張が秒で吹っ飛んでいきました。


いろんなことを話している間に紀家わくわくに到着です。趣きのある木造の大きなお家。微かに香る蚊取り線香の匂いに、何故か実家に帰ってきたような安心感がありました。


そして早速、着慣れない作業着に身を包み善兵衛農園さんの倉庫へ。
まずは、田村についてのお話を聞きました。

共選より個選農家さんの方が多いということ、そのかわりに田村出荷組合という組織があり、そこで有田みかんとしてではなく、田村みかんとして出荷を行なっていること等、とても興味深い話でした。なによりも、田村のみかんというブランドに誇りとプライドを持って、みんなで切磋琢磨しあっているのだなと感じました。


そして、お話のあとは早速作業です!
最初はグリーンレモンの収穫に行きました。
畑には大きくしっかりと育ったレモン達がいっぱいいました!!感動です。

 

収穫のやり方を教えてもらい早速作業スタートです。出来るだけ大きく育っているレモンを選びながら進みます。畑全体にレモンの爽やかな香りが広がっていました。
すぐにはコツが掴めそうになかったので、慎重に選んで収穫していきました。信太郎さんは高いところまで木を登り沢山収穫されていました。本当尊敬です。そろそろ戻ろうかと声をかけてもらった時、まだ私のカゴには半分ほどしか入っておらず、少し悔しかったです。笑


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昼休憩を挟み、午後の作業スタートです。

午後は、まずものすごい細い道の急斜面をのぼり、水やり用の貯水タンクを見に行きました。どうやら水漏れを起こしてしまっていたようで、その確認でした。そこで信太郎さんのお父さんに逢いました。とても優しそうな印象を持ちました。
確認が終わるとこれまた急斜面をくだります。正直心臓が飛び出るくらい怖かったです😇😇
よく運転できるなぁと思っていました。私が運転しようものなら5秒で天国です。まぁ免許ないですが。


次に、みかんの摘果を行いました。
木に実りすぎたみかんや、傷がついてしまったみかんを、葉っぱとのバランスが良くなるように落としていく作業です。
まだ青々としたみかんが木になっているのを初めて見ました。小さく、丸っこいフォルムがとても可愛くて、一人でニヤニヤしちゃってました。


そんなみかんを落としてしまう。

一見もったいないと思えるその作業に、最初はとても抵抗がありました。でもこれもみかんが美味しく甘ーく育ってもらうための大切な作業。
覚悟をきめてしっかりと取り組みました。


この作業にはいわゆる正解というものはあまりなく、ほぼ感覚とセンスで行なっているといった感じでした。見た目ですぐわかるものは良いのですが、判断が難しい場所に関しては、私が落としたみかんは本当に取っていいみかんだったのだろうか、、とヒヤヒヤしました。正直帰ってきた今でも不安です。


この日はこれで作業終了です。普段まったく運動をしないナマケモノなのでかなり疲れました。それでもこんなに柑橘と過ごした日は過去にないので満足感が凄かったです。


夜ご飯は、信太郎さんと奥さまのゆかりさんに鍋をご馳走していただきました。(口頭で伝え忘れてしまった!!ご結婚おめでとうございます!!)

 

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家族で鍋を囲んだ記憶が何年も前なので、久々に人と鍋を囲み、とても楽しかったです。〆のうどんが最高でした。


ご飯のあとは、田村のお祭りの練習に連れて行ってもらいました。横笛と太鼓を体験させてもらいました。地元の皆さんの活気溢れる姿に私も元気をもらいました。

 

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田村の祭りはとても長く続いている伝統的なお祭りらしく、みんながすごく大切にしているのだなと感じました。地域に深く根付いている伝統行事に少しでも関われたのがとても嬉しいです。


ちなみに、この日は大変疲れていたらしく、わくわくに戻った瞬間に寝てしまいました。一人で泊まるのがかなり不安でしたが、そんな心配もいらなかったくらい爆睡でした。

 

 


🍊2日目🍊

さて。次の日は朝からの作業でした。
しっかり朝ごはんを食べて、早速開始です。

まだ若いみかんの苗木の根元に藁を敷く、という作業。
藁を敷くことによって保湿されたり、冬の寒さで根っこが痛むのを防ぐためだそうです。
またこの藁が腐り、やがて土に還った時にいい栄養分になるのだそうです。

また、野ウサギが新しい葉っぱを食べてしまわないように、袋をかけました。

この作業、前かがみになることが多く、だいぶ
腰にきます。でもまるでみかんの木のあかちゃんにお布団をかけてあげてるようで楽しかったです。


昼はなんと、信太郎さんのご実家で朝獲れたばかりの太刀魚をいただきました!!
とても美味しかったです、、、他にもアジのお刺身もいただきました。
ご飯を食べながらお父様に色々お話を聞かせていただきました。
私の出身が千葉なのですが、千葉の名産の醤油は、湯浅から伝えられたものだそうです!黒潮にのって紀州の人々が千葉にたどり着き、そこで醤油の作り方をつたえ発展させてくださったらしいです。
また、勝浦や白浜など千葉と同じ地名もあり、深いつながりがあると教えてくださいました。
私の地元との繋がりがあるのはなにかの縁なのでしょうか。田村に来なければ知れなかった事なので、とても嬉しかったです。

 

さて!午後の作業です!
引き続き藁敷きを行いました。
午前中は平らな畑でしたが午後は段々畑での作業。景色がとても良かったです。



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藁敷きを終わらせ、また摘果を行い、今日の作業は終了です。

夜ご飯は、またもや信太郎さんのお家でゆかりさん特製のつくねをいただきました。美味しすぎてとろけました。料理上手で羨ましいです、、、


この日の夜は、日本みかんサミットの話し合いがわくわくで行われました。

来年開催のサミット事務局長の平戸さんという方がいらっしゃって前回サミットの反省などの話し合いでした。もちろん私は全然何が何だかわかりませんが、「面白い話が聞けるかも」と信太郎さんが聞いてていいよと言ってくださったので、話し合いに参加させていただきました。
その話の間に、平戸さんがお土産でフィンガーライムを持って来てくださりました!
砂じょうが丸っこくてちっちゃくて可愛かったです、、、。愛が深まりました。


いろんな話をして、夜遅くに解散しました。
この日から平戸さんもわくわくに泊まることになりました!1人は若干怖かった(お化けとか苦手なんです)ので安心しました。笑

 

 

 

🍊3日目🍊

3日目は作業はせずに、有田の色々なところを案内してもらいました!

午前中は直売所に連れて行ってもらいました。
早生みかんがいっぱい!しかも農家さんごとで試食ができるのです。みかんの宝石箱です。みかんの博物館です。あと1、2ヶ月するとこの売り場がオレンジ色のみかんでいっぱいになると思うと胸が高鳴りました。


信太郎さんが一袋みかんを買って下さり、移動だてら食べてました。最高です。生きててよかったって思いました。


そのあと、和歌山ラーメンをたべに行きました。
「清乃」というお店は何年も食べログ1位やラーメンGPで金賞を取っているお店らしく、お店の前にはすでに何人か並んでいました。


15分くらいまって席に案内され、ついにラーメンのお出ましです。

 

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豚骨醤油のスープからほのかに魚介出汁の香りもする、とても好みなラーメンです。
なによりチャーシューがやばい。プルプルなのです。これは金賞も納得のお味でした。

 

さて、昼ごはんも食べおわり、午後はまず早和果樹園の本社店に連れて行ってもらいました。

 

東京のアンテナショップでもよくみる商品がありました。
中に入るとまさかのウェルカムドリンクでみかんジュースが置いてありました。なんて太っ腹!!流石ですね、、、。私のツボを分かってます(何様)

 

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お好きな量とか言われちゃうともう永遠にここから離れられんよ〜とか心の中で思いつつ、半分くらい頂きました。甘みのバランスがいい飲みやすいジュースでした。

東京のアンテナショップでもよくみる商品がありました。
お土産をいっぱいかって、今度は有田みかん海道をドライブです。

 

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大きな風車の下を登ります。あっちをむいてもそっちをむいてもみかん畑。圧巻です。

途中、みかんの丘というところで休憩です。
とても見晴らしがよく、見入ってしまいました。


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↑これは「すげえええええええ!」ってなってる私。お恥ずかしい限りですな。でも、地元ではこんな景色は見れません。本当に感動しました。自然と共存するとはまさにこういう事などだと感じました。

海道をもどり、海を見ました。
まるでプライベートビーチのような小さな砂浜です。海水も澄んでキラキラしていました。
潮風に吹かれながらみかんを食べるのは最高の経験になりました。これから海に行くときはみかんを持って行こうと心に決めました。


そんなこんなでドライブは終了!
夜ご飯は鍋食べました!2回目!!
何度食べても鍋は美味しいです。わくわくでこたつに入りながらたべる鍋は、格別に美味しいなと思いました。


この日も少しだけお祭りの練習をみせていただいて、1日が終了です!
この夜から、あぁ〜明日帰るんだなぁという寂しさがじわじわときていました。

 

 


🍊4日目🍊

最終日です!

夜行バスまで時間があるので、また朝から作業をしました。
やっと馴染んできた作業服も今日でおしまいと思うと寂しく感じました。

この日は清見に袋がけをしました。
どちら側にも穴がある靴下のようなサンテという袋をひとつひとつ手作業でかけていきます。
正直、とんでもなく大変な作業です。沢山なっている木で100個くらいついている実を、1つずつですよ!!
手間のかかりかたが段違いです。これをいつもこなしているのだと思うと農家さんには頭があがりません。本当に凄いとおもいます。

 


午後も引き続き袋がけの作業を行いました。午後からは平戸さんも作業に加わり、音楽の話で盛り上がりました!とても楽しい最後の作業時間でした。

 

そして帰る時間がやってきました。
帰りはゆかりさんに箕島まで送っていただいたのですが、田村を出る前に信太郎さんがグリーンレモンを分けてくださいました。本当に本当に嬉しかったです。

 

箕島駅について、ゆかりさんと別れたあと電車に乗り和歌山駅を目指しました。
田村の人たち、信太郎さんのご家族、いろんな方の優しさに触れ、電車のなかでポロポロ泣いてしまったのはここだけの話です。

 


田村にきて本当に色々なことを学びました。
夜行バスに乗るのも、一人で関東を飛び出したのも、みかん畑をみたのも、本格的な農作業をしたのも、家族以外の人と鍋を囲んだのも、全部初めてでした。


ただただみかんが好きなだけ、ごく普通の一般消費者の私が今回これだけはじめての体験が出来たのは、いろんな人が繋げてくれた縁だと考えています。これは私にとって奇跡です。

この縁を、これからも大切にしていきたいと強く思うことのできたワーホリでした。
それに、今回農作業を行うなかで、柑橘を作る大変さを深く知ることができました。
柑橘ひとつひとつが農家さんの努力の結晶なのだと、改めて痛感しました。

 

私はただの一般消費者ですが、そんな私にできるのは周りの人にみかんを買ってもらうとか、私がみかんをいっぱい買って農家さんに還元することくらいしかないとおもっています。
これからも私にできる最大限で農家さんとみかんで繋がっていけたらうれしいなと思いました。


以上!!!また田村に戻ってきたいです!!!