奇跡と呼ばれたこの村で

紀州有田の湯浅町にある小さな村「田村」。コミュニティハウス「紀家わくわく」は都会と田村を繋ぐワームホール。学生たちが行き来する人口1000人の集落の暮らしと変化を書き残していきます。

奇跡の村で想うこと

 

 

「 橘かおる山映えて いにしえ古きびわの里 」

  

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これは僕が通っていた小学校の校歌の1行目の歌詞。

「みかん(橘)」と「びわ」を作っている地域であることがわかります。

 

 

この校歌は何十年も前につくられたもの。みかんもびわも、昔からずっとこの地でつくられてきました。

 

 

僕も今、この地で「みかん」と「びわ」をつくる農家の1人です。

 

 

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・井上 信太郎 ( イノウエ シンタロウ )

・善兵衛農園 七代目 26歳

・趣味    御朱印 バイク 写真

・好きな食べ物  みかん おにぎり

 

 

 

大学では都市農村交流について学び、その後農業研修を2年、そして今農業を始めて3年目になります。

 

 

大学時代から農業に携わったこの数年間、多くの人と出会いました。

 

 

全国のみかん農家、大学生、料理人、全国の農村で活躍する教授やモノづくりの先輩たち...などなど、たくさんのご縁がありました。

 

 

 

その中で気づいたことがあります。

 

 

「 僕の住む地元って全国的に見て珍しい地域なのでは...? 」

 

 

 

今回は、ほかの地域との違いや現在僕の地元で起きていることを書いていこうと思います!

 

 

( 見切り発車で書き始めたはいいけど、まとめきれるかなぁ。)

 

 

 

 

 

■ 日本が抱える農村の課題

 

 

 

いきなりですが、

 

 

今日本の農村でさまざまな問題が起きています。

 

 

農家の高齢化、後継者不足、耕作放棄地や空き家問題、そこから生まれる公民館機能、環境保全などといった集落機能の低下などなど…

 

 

例を挙げればキリがありません。

 


しかしそんな中、それらの問題を乗り越え続ける奇跡の農村が存在します。

 

 

 

 

■ 奇跡の村「田村」  

 

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和歌山県 有田郡 湯浅町 田

 

 

 「田村」と呼ばれる人口たった1000人の小さな農村。

最初に書いた僕の地元です。

 

 

ここは日本の中でも珍しいみかんづくりに恵まれた土地です。

 


それはなぜか?

  

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 田村のみかんは太陽と海、そして石垣からの反射熱の中で育ちます。

 


地元の農家はこれを3つの太陽と呼んでいます。

 

 

そのほかにも、気候条件や秩父古生層という土壌、ミネラル豊富な土、さらに先人が積み上げた石垣の段々畑はとても水はけが良く、美味しいみかんづくりの大きな要因です。

 

 

今では、全国の温州みかん生産量No.1を占める和歌山県有田みかんの中でも『田村みかん』はトップブランドとして位置づけられるようになりました。

 

 

田村みかんの生産者には若い人材が多く、後継者も他の地域に比べると圧倒的に多い。

 

 

和歌山県の農家の平均年齢は64歳ですが、田村の生産者の平均年齢40代後半。若い。

 

 

僕自身今年27歳になりますが、まだまだ年下の農家もいます。今年も新たに3人が就農しました。

 

 

そう、田村は元気で勢いの強い農家が多い地区なんです!

 

 

 

■ 就農直後の違和感

 


しかし、僕は就農した時に思いました。

 

 

「実際に食べている人たちの顔を知らない...。」

 

 

 『田村みかん』の取引は卸売市場を通したものだったのです。 

 

田村みかんは農家から市場に運ばれると、その先は誰が買っているか分かりません。

 

 

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食べている人の顔を知らずに、どうやってこれからも美味しいみかんを届けるんだ?

 

 

それとは逆にどんな農家がそのみかんをつくっているか消費者も知りたいんじゃないか?

 

 

 

 

 

農家と消費者の顔の見える関係をつくりたい。

 

 

 

そうすれば、食べる人にとって安心を与えられるかもしれないし、農家にとっては新たなやりがいに繋がるかもしれない。

 

 

 

 

そう思ったことがきっかけで、

 

 

 

2016年8月、新たなプロジェクトが動き出しました。

 

 

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地元の仲間とダンボールに書き出したプロジェクト案

 

 

つづく......

 

 

 

収まりきらなかったので、2本立てになりました。

 

ここまで記事を読んでいただきありがとうございました!

 

続きは明日また更新します!

 

ではでは!!