奇跡と呼ばれたこの村で

紀州有田の湯浅町にある小さな村「田村」。コミュニティハウス「紀家わくわく」は都会と田村を繋ぐワームホール。学生たちが行き来する人口1000人の集落の暮らしと変化を書き残していきます。

【 学生体験記 】アットホームな雰囲気で初めてのワーキングホリデーin田村🍊

 

私は和歌山大学観光学部二年の舟瀬葵です。

 

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今回のワーキングホリデーには、大学の援農サークル、agrico.🌱の活動の一環として参加しました。

 


私の家は母と祖母が農業をしています。


実は、私も家の農業を継ごうと思っていましたが、家族からの反対があり気持ちが揺らいでいました。
私は本当に農業が好きなのか、自分を確かめたい気持ちもあり、今回二日間、お世話になりました。

 

 

 

1日目

 

八時半頃に湯浅駅に到着し、英士朗さんが駅で待って下さってました。
農業と高齢化はセットのように考えてしまう先入観からか、英士朗さんと初めてお会いした時に「お若いっ!!」と思ってしまいました。

同じサークルの友人二人と合流し、英士朗さんのお宅に荷物を置きに行きました。

 


お宅に入る前に嬉しいサプライズが!柴犬の花ちゃんがお出迎えしてくれました。

 

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耳をピコピコ、尻尾をブンブン振って歓迎してくれました。


荷物を置き終え、早速農作業に取りかかります。
英士朗さんのご友人の磯村さんも加わり、五人での作業になりました。

 

 

この日は畑に生えている草を横に倒す作業をしました。

 

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草の背が低い方が除草剤を撒きやすく、除草剤を撒いた後に草が立ったまま枯れると仕事の邪魔になるので、この作業を行うそうです。

草かき棒を使っての作業で、少し軽めの棒を使わせてもらいました。

この作業で注意することは、硬めの茎の草はしっかり倒すことと、電柵(害獣避けの電気が通っているワイヤー)に草がかからないようにすることだそうです。
電柵に草がかかると電気が通りにくくなってしまうと聞き、害獣で悩む母達を見ている身として、電柵周りの草は念入りに倒しました。
また、みかんの木の間にも草が生えていて、木を傷つけないように注意して倒しました。

午前、午後と同じ作業を行いました。

 


お昼休憩は、英士朗さんのお宅に帰ってお母さんお手製のチャーハンとお味噌汁をいただきました。とてもおいしいお昼ご飯でした。

お昼休憩中に、友人二人と磯村さんとで話す機会があり、方言トークで盛り上がりました(笑)
私は和歌山県の広川町という田村からすぐの場所に住んでいるのですが、愛知県出身、和歌山県新宮市出身の友人だったので、方言が全く違って面白かったです。

 

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午後の作業を終えた後、英士朗さんから今日の作業について褒められました!初めての作業で、ちゃんとできているか心配だったので、本当に嬉しかったです。
農家さんに農作業について褒められるのは嬉しすぎました!

 


作業を終えたのが四時過ぎで、そこからわくわくに向かいました。
二日間で英士朗さんの車で移動する機会がたくさんありましたが、皆で車内で話をするのが楽しすぎて、ずっとお喋りしていた気がします(笑)

 


わくわくは、来るのは初めてなのに、何故か懐かしい気持ちになる場所でした。林間学校で宿泊した場所に似ているような、おばあちゃん家に似ているような・・・そんな場所でした。

 

 

わくわくには和歌山大学の一年生が先に到着していました。実は、このワーキングホリデーはagrico.🌱の新入生歓迎会も兼ねていて、一年生にサークルの魅力が伝わればいいなと思いました。

 

そして夕方五時から、日本農業新聞の記者さんが農業ワーキングホリデーについて取材に来て下さいました。

今回参加を決めた理由や何度目の参加なのかについての取材を受けたり、農家さんには、学生を受け入れるメリットについて取材されていました。

私が二日間畑にお邪魔した英士朗さんが取材で、「助かりました」とおっしゃってくれて嬉しかったです!
同じ学部で同回生の友人が、学生を代表して取材を受けてくれました。しっかりと受け答えをしていて、尊敬しました!


取材後、皆で銭湯に行きました。湯浅にある宝栄湯に行きました。
初めての銭湯で、地元の方とお風呂でお話しを楽しんだり、やや熱めのお風呂も作業後の体には気持ち良かったです。


お風呂の後は、わくわくで皆で夕飯を作りました。焼きそばを作りました。

 

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夕飯を作りながら、わくわくに他の農家さんや漁師さんが集合してきました。

 

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皆で作った焼きそばはとてもおいしかったです。


夕飯後は皆でカードゲームをしたり、お話をしました。
私と同じ歳くらいの方が農業をしていて、刺激を受けました。
19、20歳というとまだまだ学生のイメージが強かったのですが、その方のお話を聞き、自分と「仕事」はそんなに遠くないのだと気付きました。

また、集まった農家さん達は地元のお祭りにも積極的に参加しているというお話も聞きました。
地元の農業を担い、学生を受け入れるという新しい取り組みをしたり、また地元の行事に熱心に関わる若い方が多いことが素敵だと思いました。

思い返してみると、農作業も楽しかったのですが、夜皆でお話したり、ご飯を食べた時間が何よりも楽しかったです。アットホームな雰囲気で、温かく接して下さる皆さんのおかげで田村やわくわくが大好きになりました!

 

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2日目


この日も英士朗さんの畑にお世話になりました。
作業の内容は、昨日の草倒しの続きとみかんの枝を細かく切ること(祖母曰く、この作業はヨギリというのだそう)です。


ヨギリをすることで枝の腐敗を促進し、やがてみかんの栄養になるのだそうです。また、仕事の邪魔になるのを防ぐ目的もあるそうです。例えば、消毒のホースを引っ張っている時に、細かい枝に引っかかってホースがスムーズに動かないことがあるそうです。そのようなことを防ぎます。

 

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庭師さんが使うようなハサミを使用しました。なかなか力のいる仕事でしたが、電動枝切りバサミという、ナイスな道具も紹介してくれました。

十一時前には草の残りを倒し終え、ヨギリに移りました。草倒しが終わった後の畑を見ると、緑のじゅうたんが広がっているようで達成感がありました。

お昼休憩までのヨギリの作業は一人一本のハサミで作業をしました。

 

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午後からは近畿大学からのお二人が加わり、二人一組になってヨギリの作業を行いました。ペアになって作業をするとスムーズに進みました。

 

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午後の作業を終え、わくわくに戻り夕飯後の準備をしました。献立は餃子で、皆で一つずつ包んで焼きました。
私は餃子作り初体験で、不格好な餃子が混じっていました(笑)
だんだん楽しかった二日間が終わりに近づいてきて寂しい気持ちになりました。


夕飯後、漁師さんが友人達を箕島駅まで、私を家まで送って下さいました!
私は最後の最後まで喋りっぱなしでした(笑)

わくわくの皆さんは優しくて親切で、別れがたかったです。


今回のワーキングホリデーを通じて、頼もしい若手農家の方とお話したり、作業を一緒に行うことで、「やっぱり農業って素敵だな」と思いました。
元々、「食べ物は体を作り、その食べ物を作っているのは農家さん」という言葉から農業に興味を持ち始めました。
年齢を重ねるにつれて、楽しいから仕事にするというシンプルな考えはダメな気がしていましたが、この二日間は楽しすぎて・・・楽しくて何が悪い!と開き直ってしまいました(笑)

今はまだ農業の楽しい面のみしか見えていない気がします。
これから、もっと農業を知り、一つでも多く農作業を覚えたいです!


本当にありがとうございました!また是非ワーキングホリデー、参加させて下さい!わくわくにも遊びに行きたいです!